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鼻がつまる |
鼻閉はあらゆる鼻疾患で起こります。風邪の初期や鼻風邪(急性鼻炎)、鼻ポリープ、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)、鼻腔内の腫瘍、アレルギー性鼻炎等があげられます。特にアレルギー性鼻炎は日本人の10人に1人がかかり、小児を中心にますます増えつつある現代病です。
アレルギー性鼻炎と花粉症について
アレルギー性鼻炎の中で、花粉が原因物質のものを花粉症と呼んでいます。多くはスギの花粉に対するアレルギーで2月〜3月に起こります。
ヒノキはスギより遅れて3月〜4月に起こり、5月〜6月にはカモガヤが原因となり、8月〜10月にかけてはブタクサ、カナムグラ、ヨモギなどが原因となる可能性が高いです。ほかの原因物質としてはダニや家のほこりが大部分ですが、最近は犬やネコなどのペットを室内で飼う方も増えてきたためそれらが原因でアレルギーを起こす方も増えてきています。
鼻づまり以外の症状は?
くしゃみや鼻水が止まらないということがあります。鼻は副鼻腔、耳、喉とつながっているため、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、鼻出血、無嗅症、難聴、いびき、のどの痛み、せきの原因となることもあります。
効果的な治療法は?
以前はアレルギー性鼻炎の薬といえば眠気の出るものが多かったのですが、最近はよく効き眠気の少ない新薬が次々と開発されています。特に季節性のものには、薬の発症前投与が有効です。スギの花粉症であれば1月下旬からの服薬が効果的だと言われています。
どうしても症状を抑えたいような場合は、レーザー治療なども有効です。
体質改善の方法は?
抗原エキスを少しずつ注射することによって体を慣らす減感作療法があります。有効率は6割程度です。定期的な通院が2年間は必要で、注射自体によるアレルギーの可能性もあり、治療を開始するにあたっては医師とよく相談してください。
日常生活で気を付けることは?
発症には体調が大きく左右します。睡眠不足や不摂生は避けるべきです。家のほこりが原因であれば家の掃除や布団の天日干しも必要ですし、空気清浄機を使用してみても良いと思います。
スギ花粉症であれば新聞の花粉情報も利用しましょう。
最新の治療法は?
薬の効きにくい高度な鼻づまりに対してはレーザーによって鼻の通りを良くする手術が有効です。
その他一週間程度の入院で行う「急速減感作療法」や、くしゃみの原因である知覚神経を鎮める薬の・開発などが進められていますが、治療法として普及するにはまだ少し時間がかかりそうです。
我慢していると蓄膿症に進展したり、鼻腔内腫瘍の可能性があります。
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鼻血が出る |
おそらく多くの人が一度は経験されている症状の1つだと思います。しかし鼻血は意外に侮れない症状で、止血が困難なため入院される方も少なくありません。約80%の鼻血がキーゼルバッハ部位という鼻の入り口(鼻中隔前下方部)に出血点を認めます。そのため、ティッシュを鼻に詰めると多くの場合は止血されるのです。しかし、問題はそれ以外の場合です。
危険な鼻血とは鼻腔内に腫瘍が出来て起こった場合です。悪性はもちろんですが、良性腫瘍でも鼻血が初発症状というものが珍しくなく、治療はほとんどが手術となります。その他意外と思われるかもしれませんが、アレルギー性鼻炎、急性鼻炎(鼻かぜ)なども原因となり得ます。
また、全身的な要因でも鼻血は出ます。白血病、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、血友病などの血液疾患、高血圧、薬剤性(ワーファリン、アスピリン)などの初発症状となることもあるので血液検査は必須となります。
最悪の場合、悪性腫瘍の可能性があります。
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鼻水が出る |
鼻水は水の様なもの、それより粘性の高いもの、膿性のもの、そして血性のものなどに分けられます。鼻水の性状も鼻疾患の判別に大変重要です。
水の様な鼻水が止まらない場合の代表的な病気にはアレルギー性鼻炎や血管運動生鼻炎があげられます。その診断には初めに鼻水そのものを顕微鏡で観察し好酸球の有無を調べる検査をします。この検査は鼻水を綿棒に取り顕微鏡のプレパラートにのせるだけなので痛みもなく簡便な検査です。診断が付いたら更にその原因が何かを血液検査で調べます。
アレルギー性鼻炎は確かに多い病気ですがその症状は人によって主だった症状が異なりますので、担当医とよく相談し自分に合った治療を受けましょう。
粘性の高い鼻水や膿性のものは蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の可能性が高いです。診断にはレントゲンやCTスキャンが用いられます。治療としてはマクロライド系抗生部質少量長期投与による治療成績が良く、以前のように手術が必要となる場合は減少しています。
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匂いがしない |
鼻がつまってもいないのに臭いがしないという場合があります。臭いは嗅裂部という鼻の奥で感じるものですがその嗅裂部の粘膜が障害を受けるものに風邪や薬物(抗甲状腺薬や抗癌剤等)の影響、そしてアレルギー性鼻炎、蓄膿症があります。
その他に中枢性嗅覚障害というものがあります。これは原因が頭の中にある場合をいい、代表的なものには頭部外傷があります。頭部外傷といっても非常に軽微なものでも発現する場合もあり自覚がない人も意外に多いものです。
他に怖いものとして脳腫瘍などもありますが初発症状としての頻度は少ないです。
放っておくと徐々に進行し、鼻腔内腫瘍の可能性があります。
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