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のどが痛い |
のどに非常に強い痛みを感じ、そして食事が出来ないような場合、呼吸困難を伴う場合、炎症症状は無いが物を食べるときに痛い場合、のどや咽頭ではなく、口の中に問題が有る場合等、のどの痛みにもいろいろなパターンがありますが、多くの場合が細菌やウイルスの感染によって引き起こされています。特に呼吸困難を伴う場合は症状が急変しやすいので注意が必要です。
診断は視診である程度判断がつきますが必要であれば血液検査や細菌検査、ファイバースコープ等でその重傷度を検査します。
治療としては抗生物質や消炎鎮痛剤、消炎酵素剤などを用います。腫瘍による痛みはある程度進行してから発現するため初発症状として頻度は低いと言えます。
痛みを我慢していると食事が取れなくなり、呼吸困難になる危険性があります。
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のどに違和感がある、詰まる感じがする |
この症状の裏にはのどの炎症や腫瘍が隠れていることが珍しくなく、この2疾患の除外が重要になります。しかし、いくら検査をしてもどこにも悪い器質的異常、機能的異常がない咽喉頭異常感症という疾患があります。訴えはのどの圧迫感、詰まる感じ、さすような痛み、ざらざら感など多種多様です。のどが神経質で敏感で、根底にガン恐怖がある方が多いような印象を受けます。
また胃酸の逆流が関係していることがあります。胃酸の逆流によって現れる症状は胃・食道逆流症と呼ばれ、なかでも食道の粘膜に炎症があるものを逆流性食道炎といい、この逆流がのどにまで及んだ場合に、喉の異常を感じることがあります。その他、軽い貧血、胃腸障害、最も多いものでは更年期障害などから起こることもあります。
のどそのものには、軽い炎症、舌扁桃肥大、副鼻腔炎等があり鼻水がのどに落ちてくる後鼻漏の場合などにもこのような症状を発現するのですが、同じような軽いこのような病態をベースに持っていても、感じる方と感じない方がいて、個人差があります。慢性の炎症あるいはアレルギー性咽喉頭炎の場合もありますからアレルギーは必ず調べた方が良いと思っています。あまりひどく悩まれる方には軽い安定剤などを処方する場合があります。
放置しておくと、最悪の場合、悪性腫瘍の可能性があります。
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声がれがする |
声がれが発現した場合、一番注意しなければならない疾患は喉頭癌です。喉頭癌は声帯癌、声門上癌、声門下癌の3つに分けられ、この中でも声帯癌が全体の6割ほどを占めます。声帯癌において声がれは初発症状として最も頻度が高いのです。
喉頭癌は50代以上の男性において頻度が高い疾患ですが、それには喫煙が関係しているためといわれます。喫煙量を示すブリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)が600以上になると危険といわれます。しかし、声帯癌は声がれとして症状が出やすいので早期発見されることが多く、放射線にも非常に反応するので治りやすい癌ともいえます。
急性咽喉頭炎、急性喉頭蓋炎、声帯ポリープ、声帯結節、喉頭乳頭腫などにおいても声がれが発現します。
小児の声がれにおいて多く認められるのは声帯結節です。ファイバースコープなどでその重症度を診断し、治療は薬物療法などの保存的治療が第一に行われます。
長期間続く場合は、悪性腫瘍の可能性があります。
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舌が痛い |
舌痛の原因となる病気や病態はさまざまあります。特に注意が必要なものは舌の腫瘍や潰瘍を形成した場合で、このような場合悪性腫瘍であることが多く、早期には痛みが無く、病気がかなり進んでから症状が出てきます。診断するためには出来るだけ早く生検(腫瘍の一部を麻酔して切除する)する必要があります。他に舌癌を疑わせる症状には舌表面の白色病変があり、この症状は舌癌の初発症状として重要な所見です。また白色病変には舌カンジタ症があり、これは糖尿病や抗生物質、抗ガン剤の投与等によって生じ、真菌培養検査により診断されます。
以上のものは視診や触診によりある程度判断できるのですが、シェーグレン症候群や貧血、亜鉛欠乏等は血液検査をしないと判断できなく、またいかなる検査にても異常が認められない舌痛症も少なくありません。
最悪の場合、悪性腫瘍の可能性があります。
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口が渇く |
口が渇くという症状は唾液の出が悪くなる場合に起こります。ひどい方になると話が出来なくなるほど乾いたり、口内炎や虫歯の原因となります。唾液を出す器官には唾液腺があり、唾液腺そのものが障害を受けている場合と唾液腺自体は障害を受けていないが二次的に分泌障害が起きている場合があります。
唾液腺そのものが障害を受ける疾患としてはシェーグレン症候群があげられます。シェーグレン症候群とはいろいろな分泌線に障害を来す自己免疫疾患で、口が渇く他に目の乾きも発現し、他の自己免疫疾患(膠原病)を合併している場合も多いです。
二次的に分泌が障害されているものには薬の副作用による場合が比較的多く、その原因となる薬剤も多種多様です。
他には糖尿病、脳腫瘍、脳炎、事故の後遺症なども原因になります。また高齢になると唾液腺組織自体が萎縮してくるため口が渇きやすくなっています。最近は良い治療薬も開発されていますので担当医に相談してみて下さい。
さらに進行した場合、膠原病である可能性があります。
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