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2012年4月

 桜も満開となったゴールデンウィーク前半を、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。例年、ゴールデンウィーク明けのころまでがスギ花粉症の飛散時期となります。今年の花粉量は平年より少なく、症状の激しい方はあまりみられません。
 スギ花粉症を含むアレルギー性鼻炎では、一般に朝方に症状が強く出る傾向にあります。アレルギーをお持ちの方などは特に、起きがけにひどい鼻水やくしゃみの症状で悩まされた経験があるのではないでしょうか。これを称してモーニングアタックと呼びます。この現象には今まで色々な理由付けがなされてきましたが、近年の研究でその原因が判明しました。
 原因のカギとなるのは、睡眠や血圧など一日のリズムを制御する体内時計です。花粉症の研究を続けている山梨大学では、朝方に症状が強く出ることに着目し、体内時計がアレルギー反応と関係しているとの仮説を立て実験したところ、体内時計で中心的な役割を果たす遺伝子を変異させてマウスの体内時計を乱した場合、朝方などの特定の時間帯だけでなく、一日中アレルギー反応を示すようになったといいます。この実験からアレルギー反応は、体内時計に制御されていることが分かりました。この研究結果は、今後、予防薬の開発や新たな治療法の確立など、アレルギー治療に大きく影響してくる事実だと思われます。


 近頃は、福島第一原発が現在どのような状態になっているのか、ニュース報道で聞くことが少なくなっているように思います。1号機の建屋はカバーで遮蔽されましたが、それ以外の2~4号には今のところ遮蔽の措置はなされていません。
 そんな中、気がかりなデータが示されています。文部科学省が公表しているデータによると、セシウム降下量が昨年の12月から増えており、そしてその原因は未だに掴めていないようです。
 岩手県の発表によれば盛岡市におけるセシウム降下量に異常はないようですが、福島県での降下量の増加が大きく、今後の動きが大変気がかりです。しかし、新聞やテレビなどではこの事実があまり報道されていないため、詳しい状況を知ることができません。風評被害を防ぐ意味もあるのだろうとは思いますが、早急な原因の解明と併せ、2~4号機もカバーなどで遮蔽する対策を取らねば、この拡散は止まらないのではないでしょうか。
 このセシウムが福島第一原発から新たに放出されたものなのか、それとも地表に降下したものが巻き上げられて降り注いでいるのか分かりません。また、測定が困難な放射性の希ガスが出続けている可能性もあると聞きます。いずれ、このままでは農作物のさらなる汚染にもつながりかねず、せっかく除染しても意味がなくなってしまいます。早急な原因の解明が待たれます。

すっきりクリニック 高橋耳鼻咽喉科